真夜中の羽
知らなかったこと。
結婚しても、太陽は同じように昇り、そして沈むこと。
夜は同じように暗くて、怖くて、
それは隣から聞こえるいびきでも掻き消すことができないということ。
夜が怖くて、腰に入れた星のタトゥーは、とっくの昔に色褪せている。
なんの不満もないけれど、なんの不満もないことが、私の生命力を脅かす。
私にとっての、大地が揺れた。
寝返りをうたれただけだった。
誰かに守られるということと、支配されるということは、
常に表裏一体であるとは限らないと思うんだ。
いつか、こっそりこしらえた羽を取り出して、この窓から飛び出してみたい。
思うように動かなくて、落下しても、それでいい。
落ちてできた傷を舐めながら朝を迎えて、
いるはずの人がいなくなった小さな大地を思うとき、
ちょっとした切なさと、有り余るほどの希望があれば、それでいい。