
星の王子さま
「本当に大切なことは、目には見えない」
夢の中で、星の王子さまがそう繰り返し訴える。
ハッと目を覚ますと、天井の染みと目が合った。
なんだ、そう語りかけていたのは、君だったのか。
笑っちゃうよ。
無駄な説教されてるみたいで。
目に見えるものなんて、
私はなんにも持っていないのに。
がらんとした部屋で、
カーテンを開けて、朝日を浴びる。
自転車に乗ったおじさんと、犬を連れたおじさんが、
さわやかな笑顔で挨拶してる。
空は青いし、蝶々だって飛んでいる。
少しばかり信じたくなって、心の中で呟いた。
「大切なことは、目には見えない」